[YUIMA NAKAZATO] 2025 SS Paris Haute Couture Report
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[YUIMA NAKAZATO] 2025 SS Paris Haute Couture Report

計良宏文がヘアメイクのチーフを担当しました。

  • 計良 宏文
  • シリロ 千鶴

資生堂チーフヘアメイクアップディレクターの計良宏文が1月にParis Haute Couture 2025 SSで発表されたYUIMA NAKAZATOのショーのヘアメイクを担当しました。

YUIMA NAKAZATO couture Spring/Summer 2025 ‘FADE’

今回のコレクションのテーマは「FADE」と題され、唯馬さん自身が実際にサハラ砂漠を旅した際の体験からインスパイアされたとのことです。
「FADE」とは徐々に消えていくことを表す言葉ですが、記憶や物質が風化していくことや、砂漠化していく環境、気候変動による地球の未来や、衣服の未来へ向け、警鐘を鳴らすような意味合いがメッセージとして込められています。

ランウェイの中央に積み上げられた巨大な砂の山から、セラミックで作られた黄金のドレスを唯馬さん自ら掘り起こし、モデルに着せ付けるラストシーンは、一点ものを生み出すオートクチュールデザイナーとして、風化せず残していきたい。という強い意志を感じさせるシーンでした。

ヘアメイクのポイント

「砂漠の民」をイメージし、乾いた質感や、塩、砂、泥のひび割れ、鉱石など、いくつかのモチーフをイメージソースにしながら、ヘアメイクをクリエイションしました。
全体を通して、乾いたマットな肌の質感と、口もとには「スパッタリング」という技法で、炭が飛び散ったようにあしらったメイクアップが特徴です。

また、数名のモデルには、資生堂のセカンドスキンメイクアップの技術を応用し、砂を肌に貼り付けたり、ヘッドピースを貼ったりなど、いくつかのバリエーションで表現しました。
鉱石のクラスタを模したヘッドピースは、計良自身が製作したもので、素材には「氷砂糖」を使用しています。
本物の鉱石のようにも見え、比較的軽い素材を探し、辿り着いたのが「氷砂糖」でした。

Hair & Makeup by
計良宏文(チーフ)
シリロ千鶴

ブランドサイト:YUIMA NAKAZATO
計良 宏文 Instagram:@kerareation

計良 宏文 Hirofumi Kera

計良 宏文 - Hirofumi Kera

資生堂チーフヘアメイクアップディレクター

豊かな表現力と圧倒的な完成度で、多くのトップクリエイターから支持されるアーティスト。ヘアメイクの概念を刷新する活動で日本初・公立美術館での個展開催も