「東京レインボープライド2017」でのメークショーのレポート(1)
昨年に引き続き、『東京レインボープライド(※)』の資生堂ブースにてビューティークリエーションセンターのヘアメイクアップアーティストがメーキャップショーを行いました。
※『東京レインボープライド』は、 性的指向や性自認(SOGI=Sexual Orientation, Gender Identity)のいかんにかかわらず、差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、各個人が幸せを追求していくことができる社会の実現を目指すイベントの総称です。今年の動員数は過去最多の約108,000人。
イベントは5月6日、7日の2日間、東京都代々木公園にて開催されました。これに先立ち、アーティストはモデルにヒアリングをしたり、外部の「女性化セミナー」の交流会に参加したり、事前に「どんなメークが好まれるのか」「可愛いとはなにか」を考えて当日のショーに臨みました。
メーキャップショーは1日2回、各回2名のモデルのリクエストに応えながら、なごやかな雰囲気で進めました。
5月6日
◆瞬さん(トランスジェンダー、モデル。ライター、ラジオパーソナリティ)× 石田美紀(資生堂ヘアメイクアーティスト)
クールで知的な印象の瞬さん。事前のヒアリングでは、ユーモアをまじえつつも、出席者みんなに気を配りながら、質問ひとつひとつ丁寧に答えてくれたのが印象的でした。
そんな瞬さんのオーダーは「正統派美人系メイク」。「いつも同じメイクをしてしまう。どうしたら違った雰囲気を楽しめるのかわからない」とのこと。
「切れ長のアイラインが際立つメイク」ではなく、アイシャドウやアイラインの入れ方でアーモンドアイを目指し「優しい雰囲気」が伝わるようにしました。ストレートのロングヘアもふんわりとまとめ髪に。
イベント後、瞬さんはお友達から「別人だと思った!」と驚かれたものの、好評だったそう。「新しい自分を引き出し、生み出して下さり、勉強になりましたし、女性として嬉しい気持ちになりました」と仰っていました。
http://syunrainbow.wixsite.com/syun
◆NAOさん(乙女塾メイクアップアーティスト)× 石塚由香(資生堂ヘアメイクアーティスト)
性同一性障がいの方などを対象とした女性化セミナー「乙女塾」の講師でもあり、これまで600人以上の「女性になりたい」に応えてきたNAOさん。ナチュラルでありながら、女性の内側から発するオーラメークというリクエストをいただきました。ご自身のお肌が本当にきれいでしたので、華やぐ幸せオーラを放てるようにチークで血色感を与え、目元は、ベージュ系で立体感をつくり、マスカラで目もとをパッチリと仕上げました。ご自身もセミナー講師ということもあり、まるでアシスタントのように使用商品をメモする姿は、とても勉強熱心でした。 ご自身も当日は、エレガントな女性のスタイルで登場されました。
https://www.satsukipon.com/blank-1
◆ゆーきさん(会社員)× 石田美紀(資生堂ヘアメイクアーティスト)
宝塚が大好きで、宝塚の男役メイク、娘役メイクを自身の顔で試してはSNSにアップしているゆーきさん。「普段使いできる宝塚男役メイク」をアーティストにリクエストしてくれました。
舞台メイクは立体やフォルムを誇張したメイクなので、「普段使い」には軽く立体感を強調するような「ナチュラル宝塚メイク」にトライしました。
メイクのポイントは、ダブルシャドウやダブルライン。立体感を際立てながら、目もとをきりっとさせました。アイホールには肌なじみのよい影色アイシャドウを、上まぶた目尻側にもやや切れ長にぼかしました。まぶたの中央には輝き感のあるクリアホワイトをのせて、立体的な目もとを完成。
「チーク+シェード+ハイライト」でさらに全体にメリハリ感を演出し、メンズライクな印象に仕上げました。
https://www.instagram.com/yuchans72/
◆西原さつきさん(トランスジェンダー、モデル、女性化レッスン『乙女塾』代表講師)× 林佐知子(資生堂ヘアメイクアーティスト)
両日モデルをしてくれたさつきさん。1日目のオーダーは「ピンクメークをしてみたい」でした。
肌から浮きがちなピンクの使い方をレクチャー。ベージュのチークを仕込むことで肌へのなじみをよくするのもポイント。そのほうが可愛いピンクも引き立ちます。涼し気な目もとは、柔らかい印象に仕上げました。
「かわいいメークに挑戦したいけど、つい同じ顔になってしまう」という悩みが解消されたはず。
https://www.satsukipon.com/